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圧倒的な完成度のステージだった。
オープニングと同時に赤い幕が一斉に開いた瞬間から、シンと静まった水を湛えたプールが目の前に広がって、まったくの別世界がそこに出来上がったことを実感させられる。
「O(オー)」いうのはフランス語のeauからきていて、「水」を使ったパフォーマンスがメインのステージになっている。
水をとても上手く使っていて、単に視覚的な効果として水を利用するだけでなく、プールがなければ不可能なパフォーマンスというのがいくつもあって、今までに見たことがないような不思議な動きがたくさん出てきた。
ビジュアルといい、音楽といい、一つの統一された世界観の元にすべてが作り上げられていて、その徹底ぶりは本当に素晴らしいと思う。
まず、衣装がとても美しかった。シンクロナイズドスイミングのような華美な水着だけでなくて、バレリーナのような服装や、幾何学的な縞模様の水着など、様々な格好が登場する。水着以外では、バロック風の金髪に、黒いガーターと赤いコートの服装など特に良かった。
観客が突然ステージに参加したり、メリーゴーランドの馬やワニの頭が登場したり、10分に一回くらいは必ず、想像もつなかったような展開があらわれるという意外性もものすごく好みだ。途中、幕間的に挟まれる寸劇の部分以外は、驚きの連続の展開で、一瞬も飽きさせることがない。
プールは、形を固定したものなのかと思っていたけれど、演目にあわせて、間断なく姿と深さを変化させ続ける。
舞台の全面に、20mくらいの高さから飛び込みが出来るくらいの深さを持つプールを設けるなどというのは、専用の劇場ならではの芸当で、仕掛けのスケールの巨大さを感じるステージだった。

場所:ホテルBellagio
時間:19:30、22:30
休演日:月、火