水晶堂

ヒメアノ~ル

time 2010/11/07


ヒメアノ~ル 全6巻(古谷実/講談社)

なんだかまったくよくわからないまま、唐突に完結してしまった。
連載開始当初は、とても期待させられたし、その後の展開もかなり盛り上がっていたにもかかわらず、これまでの伏線すべてを放ったらかしにしたまま、崩れ落ちるように絶命した。内容もシュールなら、終わり方まで不条理劇のような作品だった。
同じような道筋をたどって終了した「シガテラ」は、それでも、ラストがとても好きだったのだけれど、この「ヒメノアール」は、意味を読み解くのも不可能なぐらい、投げっぱなし感がある。
それでも、田中が絡んでいる話し以外のところは良く、主人公の同僚の安藤さんや、山田さん、スポーツインストラクターの織田さん、ジョージのエピソードなんかは、それぞれ、そうとう良かった。
ストーリーは気にせず、毎回読み切りの短編として読むと、かなり笑える。
【名言】
 
もう戻れないぞ・・
僕はずっと・・
一人ぼっちで生きてきた・・
だけどもうダメだ・・
ユカちゃんのいない世界には
怖くて戻れないぞ?(3巻p.21)
20代の頃は「別にずっと一人でも平気」って・・根拠のない自信があったけど、
35歳を越えてから急に現実が見えてきて・・これからの自分の事で頭がいっぱい・・
私は客観的に・・このままずっと結婚できず、一人で生きていくんだと思う・・
だから老後も一人ぼっちで・・さびしく死んでいく可能性大。
その不安を打ち消すためには、毎日がんばって働くしかない・・
女一人の老後には少しでも多くのお金が必要だし・・年金なんてあてにならない。
ぜいたくもせず、ただ、ひたすら貯金してるのが私のなってしまった「大人」。
自由のカケラもない・・(3巻p.62)
 
聞けよ河島
オレの人生は充実してるぞ
お前の言うとおり、オレがバカだってことは認めてやるよ。
でも、もう、その辺のクソみてぇにつまらない奴の・・
3人分くらい生きたんじゃねぇの?
だからぜんぜん満足してるよ。
バカでも変態でも、何でもいいんだ(4巻p.149)
「終わったよ」
「え?」
「何かね・・そのA藤さんて人・・職場でいろいろあったみたいで・・もう修行・・やめちゃったみたいよ?」(4巻p.195)
 
今一瞬・・それっぽい事を大きな声で言われたけれど・・
「ああ・・やっぱりコイツとは会話が成立しないな」と再認識をした安藤。(5巻p.46)
この地球儀を・・「ほぼ完全に支配した」と、とんでもないカン違いをしているサル共がいるだろう?
いっつも何かに怯えてて、すっごく弱くて、すぐ死んじゃうサル。
実はこの世のほとんどの事を、自分自身の事すらよくわかってない連中だ。
そんなのがギュッと集まって暮らしてるもんだから、怖すぎて一応ルールを作ったんだけど、
それがまたザックリとしたクソみてぇなルールでさ。
まいったよ。
オレみたいな変態ザル完全に無視だ。(5巻p.200)
毎日が平凡すぎて・・ただダラダラと時間が過ぎるのが怖いって・・
あまりにも何も無い人生で・・それが不安だって・・
今思うと・・とんでもなくぜいたくな悩みですね・・
悩んでたのは事実だけど・・甘っタレもいいとこですよ。(6巻p.35)

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プロフィール

清水 宣晶

清水 宣晶

スケジュール調整サービス「伝助」代表。
インタビューサイトの聞き手として、知人や、縁があってお会いした人たちに聞いたお話しを文章にまとめることをライフワークにしています。
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