正月明けの陽

正月明けの火曜日の朝、
少し遅めに起き出して、シャワーを浴びて外に出た。
通りがかりの店で昼ご飯を買って、元町行きの特急電車を待つ。
ホームに立つと、澄んで乾いた風がそよそよと吹いて、
見上げれば、青い空がずっとずっと向こうまで続いている。
晴天の中、電車は多摩川を渡り、
川面に映る太陽の照り返しが射し込み、ぽかぽかと暖かい。
眠くはないのだけれど、頭は少しぼんやりとして、
口の中にむずむずとした気持ちよさが広がっている。
こういうのが、幸せなんだと思った。
成功だ自己実現だ目標達成だと考えるまでもなく、
幸せが、今この瞬間に、ここにある。
この喜びを感じることが出来る限り、
オレはそれの他に何も手にすることがなかったとしても、
やはり幸せなんだろうと思う。