期待を大きく裏切られるという経験

年末に「キダム」を観に行ってきました。
今まで何度も名前は聞いていても、どこかで「所詮は
サーカス」と過小評価していたところがありましたが、
とんでもない誤りでした。
過去どんな映画を観た時にも、これほどに感動したものは
なかったと思います。
感動とは何か、と考えると、
感動とは「良い方向に期待を裏切られること」であると
思います。
期待値が100であったところに、80のものしか提供出来な
かったら相手は不満です。
100のものが提供できて初めて相手に満足を与えることが
出来ます。
120のものまで提供出来たとしたら、「むむ、やるな」と
思わせることが出来るでしょう。
そして、それをはるかに飛び越えて200、300まで行って
しまったとしたら?
心には「感動」が灯ります。
キダムを演じる「シルク・ドゥ・ソレイユ」は真の
プロ集団です。
ある事柄を極限まで極めようとするのがプロであり、
その結果、人の期待をはるかに超えたものが生み出され、
そこに感動が生まれるのです。
身体一つのみでここまで人を感動させることが出来るの
ですから、他の仕事でも、感動を起こせない仕事がある
はずはありません。
「満足させる」レベルではなく「感動させる」レベルの
仕事をしようと、新年を前に、気持ちを新たにさせられた
公演でした。
■特に感動した3つの演目
ディアボロ
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4人の少女が、ヒモを使って糸巻を自在に操る演目。
楽しくリズミカルで、時間が経つのも忘れてしまう。
音楽が最高に素晴らしい。
「ジャーマンホイール」
直径2mの巨大フープに人が入って、ステージ上を動き回る
演目。重力がないかのような不思議な動きに目を釘付けに
させられる。
バンキン
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一切の道具を使わずにアクロバティックな動きが繰り返さ
れる、キダムの神髄といえる演目。
人間の身体能力の究極を見ている気分。
キダムは再追加公演、最終追加公演まで含めて4月4日まで。
まだチケットは取れると思います。