宇宙(そら)へ。

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「ディープブルー」や「earth」のスタッフの最新作ということだったけれど、前2作とは、ちょっと作り方が違っていた。
前作は、「どうやって撮影したのか!?」と驚くような新しい技術での最新映像が満載だったけれど、今回は、NASAが秘蔵していた映像をメインに編集して作られた作品なので、映像としてはだいぶ古く、粗いものが多かった。
なので、なんとなく、海外のドキュメンタリー番組を見ているような感じ。エンドロールもないし、CGバリバリの迫力のある映像というわけではないので、映画館で観る必要はあまりないかもしれない。
内容は、ものすごく良かった。1960年代のアメリカが、いかにエネルギーと希望に満ち溢れていたかというのがよくわかる、宇宙への飽くなき挑戦は、かなり劇的なドラマの連続だと思った。
同じ時期の日本もそうだったのだろうけれど、ベトナム戦争が泥沼化する前のアメリカというのは、本当に理想と夢のある国だったのだと思う。
宇宙船の開発史として、とてもタメになる内容でもあった。最初の頃のロケットや宇宙服が、よくこんなので宇宙まで行っていたと思うぐらい粗雑なものだったのが、徐々に技術が進歩していく様子が伝わってくるし、スペースシャトルの登場というのが、いかに画期的な技術だったかというのがわかる。
あと、今回観てよくわかったのは、宇宙や月に行くのは簡単だけれども、本当に難しいのは、いかにそこから帰還するのかという点にある、ということだった。地球の重力から脱出するよりも、重力の中に入っていって、大気圏を無事に突入することのほうが遥かに難しい。
今までに見たことがないような映像がたくさん出てきて、宇宙の、よりもむしろ、地球の美しさを再認識できる映画だった。
2009年8月21日(金)より上映中
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