木の実の話し

紘一に誘ってもらって、「植物友の会」が主催する勉強会に参加させてもらった。
テーマは「種の散布」というもので、学術的な内容と思ったのだけれど、そういう風な堅苦しい話しではなく、かなり面白くてタメになる話しだった。
植物が、鳥や動物を使ってどうやって種を広く散布させるかという話しで、そこで植物がおこなっている工夫の巧みさと、戦略のバラエティーさに、感心させられる。
【タメになったこと】
・鳥が食べる実には赤色に次いで黒色がダントツに多い。鳥は紫外線を視認出来るので、黒色の実が目立つ。
・不味い実は一斉に熟すが、美味い実はバラバラに熟す。美味い実が一斉に熟してしまうと、まとめて食べられてしまって種が散布しない。
・動物が食べる実の種は、食べる時に歯で砕かれないように「硬い」「滑る」「(歯の間を)すり抜ける」のいずれかになっている。
植物の「実」であれば、目にする機会はあっても、その中にある種ということになると、今回初めて形を見たものが多い。その、植物の名前についてもほとんどが初めて聞いたものばかりで、これも、詳しく知っていこうとすれば相当奥が深い世界だと思った。
講師の多田先生は、植物が好きでたまらないという感じが、その話しの熱の入れようからわかって、その興味の強さがこちらにもよく伝わってきた。
すべての実について、詳しくその特徴を調べるだけではなく、自分自身の舌でその味を確かめているというのは、並みの情熱じゃないと思う。こういう人が語る話しというのは、聞いていて燃える。