祖母のこと

先週、母方の祖母が亡くなった。
92歳という高齢にもかかわらず、直前までずっと元気だった。
自宅で横になっていたところ、その時ちょうど訪れていた伯母が、容態の変化に気づいて救急車を呼び、病院に運ばれた時には心臓が止まっていたという。
祖母は、生涯、大病も入院もしたことがなかった。
周りに迷惑をかけることもなく、自らも苦しまず、家族たちに看取られて静かに亡くなるというのは、これ以上考えられないくらいの、幸せな最期だったのではないかと思う。
人生は棺桶のフタを閉めるまでわからないというけれど、どれだけ順風満帆に進んでいたとしても、死に方までは、死んだ後にならないとわからない。
そして、死に方こそがその人の人生全体の総決算なのだと考えれば、現在進行形で生きている人達の人生というのは、誰をとってみても、まだなんとも判断の定まらない、不確定なものである気がする。