深夜のデニーズで、隣りに座っていた、40代半ばくらいの2人連れの男達の片方から聞こえてきた話し。
「オレは銀座が大好きだから、よく銀座に行くんだ。
高いからメシは食べないよ。ただ、街をぶらぶらとする。
銀座には毎週でも行きたくなる。銀座は行くたびに違う顔を見せる。
でも自由が丘には毎週行きたいとは思わない。それは自由が丘には文化がないから。
この街には画廊が15軒あるんだけれども、そのことを知っている人はほとんどいない。
それはこの街に責任がある。自分自身の街のことを考えて発信する人がいないから。
だから、一緒にそれをやろう。」
「文化がない」というのは面白い視点だ。勢いがある、とか、トレンディーである、ということとは別の指標として、街には文化というものがある。
ロンドンや新橋やプノンペンは、現代においてトレンドではなくても文化がある。
その一方で、トレンドではあるが文化がない街というのはたくさんあって、しかも毎年新しく作られている。
トレンドな街は簡単に作れるが、文化がある街を作るには時間が必要だ。