絶望に効くクスリ


絶望に効くクスリ 15巻(山田玲司/小学館)

「絶望に効く薬」も、「ヤングサンデー」の休刊という事態のあおりを受けて、連載が終わってしまった。どれだけ連載が続いても、一向に絵が上手くなるということがなかったけれど、この画はもはや独特の味になっていて、むしろこのままでいてほしいという感じがする。
裏表紙の折り返しのところに、著者の写真がついていて、これまで写真を見たことはなかったので、こういう顔だったのか!と結構驚いた。
特に良かったのは、雨宮処凛、森達也、元ちとせ、堀井雄二、との回。
相手によっては、かなり表面的な感じの話しに終わってしまう対談もあって、回によって密度にムラはあるのだけれど、それとは逆にピタッと会話がハマっているような対談もあって、そういう内容の時にはとても面白かった。
【名言】

自分で撮ってみると・・カメラでズームをすることが、すでに主観なんですよ。撮る部分があれば、同時に、撮らない部分が生まれるわけですから。
撮るものを選んでいるっていうことは、映像ってのは主観なんだって・・客観のかけらもないじゃん・・って思って・・。(森達也)
不登校の人に会った時、言ったんですけどね・・せっかく引きこもったんなら、もう少し引きこもり続けなさいよ・・って。本人はびっくりしてましたけどね・・治るんなら治るし、治んないならそのままでいいんです。(ひろさちや)
右翼団体に入った途端に、全部アメリカと戦後民主主義のせいにできたんで、腕切るのも治ったんです!右翼療法です。(雨宮処凛)
結局、自分以外の死は・・三人称の死なんです・・(加藤大基)