ここしばらく体調が悪く、寝込んでいた。
熱が出て、頭の中の血のめぐりが止まっているように頭が痛くて、身動きが出来ない。朝目覚めたら、突然虫になっていたというぐらいの身体の変調ぶりだった。
体調が悪くなると、日々の生活のあらゆるものが刺激物として刺さってくる。テレビ番組の音はどれも耳障りに感じる。冷やされた空気は、ほんの少し肌に触れただけでも寒気がする。
すべての音を遮断して、部屋の電気を薄暗くして、ひっそりと眠ることにする。
ほとんどの食べ物を体が受け付けず、何も食べる気がしなかった。
ひたすら水ばかりを飲んで、その水を買いにコンビニに行く時には、照明とBGMと大量のおにぎりとで目眩がした。
病院でもらった薬を飲んで、痛みがおさまった後、ようやく体が食べ物を受け付けるようになった。
魚とご飯と味噌汁とキュウリと冷奴を食べる。
どれも、この上なく美味いというだけでなく、一つ一つが滋養として取り込まれているのがわかる感じがした。
食べられるということは、本当にありがたい。
すべての思考や活動や幸せは、健康の上に成り立っているのだと思った。