空手の「板割り」を体験させてもらった。
板を両手で持っている人がいて、その板を手のひらで打つ。
結構厚い板で、2cmくらいある。
見た感じでは、とても平手で割れるようには見えない。
それを、割らせてもらうことになった。
重要なことは「絶対に割れる、と確信すること」だと言われた。
中途半端にやって割れないのが一番痛い。とても痛い。だから、やるからには必ず割るつもりで打たないといけない、と言われた。
チャンスは一回きりで、やり直しはない、とも言われた。
自分がやる前に、一人、割った人がいた。
その瞬間に「ああ、本当にあんな厚い板でも割れるものなのか」と思った。これはとても大きなことで、そのおかげで「やれば割れるものなんだ」と信じることが出来た。
打つのはコワかったけれど、やらざるを得ない状況なので、やるしかない。
打ってみたら、割れた。
後から考えても、割れたということがイマイチ実感出来ない。
ただ、打つ瞬間には確かに、ただ「割る」ことしか考えていなかった。
一瞬でも「ムリだろう」と思っていたら、割れなかったんだろうと思う。
今回の場合、自分の前に、実際に割れた前例があったことが心理的にとても大きかった。
今後、同じような場面があった時に、たとえ前例がなかったとしても「出来る」と信じこめるかどうかが重要なことなんだというのは、大きな気づきだった。
そして、そういう時というのはたいてい、やはり「チャンスは一回きりで、やり直しはない」という場面なんだろうと思う。