アウフグースのある本格サウナ「スカイスパ横浜」に行って本当のサウナを体験してきた

これまで僕は、銭湯などにあるサウナを単なる苦行としか思っていませんでした。
あの異常に熱くて狭い空間でだらだらと汗を流して、何が楽しいのかと。

しかし、先日「マンガ サ道」という本を読んで、俄然サウナに興味が湧いてきました。
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どうやら、サウナというのは、その後に入る「水風呂」とセットになっているらしく、そこまで含めないと意味がないらしいのです。

水風呂などは、サウナ以上に意味がわからない苦行としか考えていなかったので、水風呂には今まで一度も入ったことがありません。
そこで、「本当のサウナ」とやらを体験してみたいと思いました。

「マンガ サ道」の本の巻末には、ありがたいことに、おすすめのサウナ情報までついていました。
近所にはあるかと探してみると、横浜では一つだけ「スカイスパ横浜」というのが載っていたので、行ってみることにしました。
その体験記です。

アウフグースを体験

「スカイスパ横浜」は横浜駅東口のスカイビル14Fにありました。
入口からとてもおしゃれな雰囲気。

フロントで鍵をもらって、ロッカールームで着替えます。

さっそく浴場に行って体を洗っていると、突然若いスタッフが登場しました。
「ただいまより、エクストラ・アウフグースを始めます!」
そのかけ声を聞いて、みんなぞろぞろとサウナルームに入っていく。

(エクストラ・アウフグース・・?)
なにが始まるのかわからないけれど、ちょうどいいタイミングに居合わせたようだぞ・・と、僕もサウナルームに入っていきました。
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(※画像はスカイスパホームページより)

熱気のたち込めたサウナルームの温度は85度。
窓がひとつだけあって、外にはみなとみらいと横浜港が見える。
スタッフの人が、氷の入ったバケツを持ってやってきます。
「エクストラ・アウフグースを担当させていただきます○○です。本日のアロマはペパーミント。効能は・・」と説明が始まる。
平日の真っ昼間にもかかわらずサウナルームは満員。16人ほどの人々が座る。

「それでは一回目のロウリュをおこないます。サウナストーンに水をかけることで、体感温度が上がります」
石の上に水をかけると水蒸気があがり、その正面に座っていた僕のところに熱い空気がやってきた。
(これは、けっこう熱いぞ・・)
と思った後、スタッフの人がタオルを回すと、強烈な「熱のかたまり」が押し寄せてきて、(アチチチチ・・)となる。
息を吸い込むと肺の奥まで熱くなった空気が入ってくる。

「それでは、一人二回ずつあおがせていただきます」
バサッ、バサッ、と端から順番にタオルであおいでいく。
この熱さの中で、タオルを強くあおぐ人も大変なキツさだろう。
「ありがとうございます」と頭を下げる人もいる。
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(※画像はスカイスパホームページより)

一巡すると、再びロウリュがおこなわれた。
「さらに、体感温度が上がります」
石に水がかかった途端に、湿度が一気に上がり、さっきよりも熱い空気が流れてきた。
(これは、なにかの拷問をされているような熱さだ・・)
タオルを振り回すと、危険を感じるほどの熱波がぶつかってくる。
しかし、温度計を見ると85度のままで、温度は変わっていないらしい。
「ご気分がすぐれない場合は、ムリをなさらずご退出ください」
ここで、席を立って外に出ていく人もいる。
(これは、、オレの体は耐えられるんだろうか?)

「ロウリュをおこないます。さらに、体感温度が上がります」
(まだ上がるの!?)
さすがに怖くなってきて、外に出ようかとも考えたけれど、ここまできたら最後まで見届けたいと思い、そのまま残った。
水蒸気が吹き上がって、経験したことがないほどの熱さに全身が包まれる。
タオルが回され、熱波が自分に向かってやってきた時、とても呼吸が出来なかった。

「それでは、これでエクストラ・アウフグースを終了いたします」
全員がパチパチパチと拍手をする。
スタッフが礼をして、立ち去った。
長い10分間だった。
(これは、オレ、、歩けるんだろうか・・?)
立ってみると、意外と普通に歩けるし、意識もはっきりしているようだ。
サウナルームの外では、冷たい飲み物を用意してくれていて、小さいコップに一杯ずつ渡される。
冷たいお茶がほんとうにありがたく、体の中に染み渡って、内側から回復していく感じだった。

その後、かけ湯をして汗を流してから、水風呂に入る。
水温は14℃。
体が火照っているから冷たくないのかと思っていたら、それでも冷たい。
歯をくいしばりながら水の中に体をつけて、肩まで浸かったところでようやく落ち着いた。
体を動かすと水が揺れて冷たいので、なるべくじっとする。
(なんか、、クラクラしているぞ・・)
まっすぐに座っているのに、視界が揺れている。
突然意識を失ったりすることがあったら大変だと思い、しばらく動かないことにした。
5分ほど経ってから、少しずつ立ち上がり、大丈夫そうなのを確認して歩き出す。

窓際に置いてあるイスまでたどりついて、腰をおろした。
(なんとか、耐えしのいだ・・)
あの灼熱地獄と水風呂を味わった後だと、ただイスに座っているだけでもとても穏やかな気持ちがする。

しばらく休んだ後、再びサウナルームに入る。
さっきの満室の状態と違って、他に誰もいなかった。
ここはテレビもなく、とても静かな空間だ。
横になって寝転がった。
アウフグースの時のような激しい熱さはなく、じんわりと温まる。
サウナに入って、水風呂に入って、イスに座って休憩するサイクルを3回繰り返した。

窓際のイスに座りながら、窓の外をぼーっと眺める。
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横浜港の湾岸には風力発電のプロペラがゆっくりと回っている。
みなとみらいにある横浜マリノスのグラウンドでは、サッカーをやっている小さな人影が動いているのが見える。
速かった鼓動がだんだんと戻ってきて、気分も落ち着いてきた。
(天気のいい、穏やかな午後だな)
期待していたほどの、トリップしたような多幸感とやらはなかったけれど、ピリピリとした皮膚の刺激にじんわり包まれて、心地よい気分になっていた。

サウナファンも納得のクオリティー

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今回は、サウナの「ととのった」感じまではわかりませんでしたが、水風呂を含めた本来のサウナの流れを実際に体験出来たのは大きな収穫でした。
値段は、平日昼間に行った場合、2時間1,950円でした。
これを高いとみるか安いとみるかですが、ちゃんとしたサウナってだいたいこのぐらいの値段しますよね?

「スカイスパ横浜」は、サウナ経験が少ない僕の目にもかなりきちんとしていると思われる、サウナファンにも納得のサウナだと思います。


「アウフグース」の説明動画