多数派の是非

人は、夜に寝て、昼に活動するのに適した仕組みになっているらしい。
それはホルモンの分泌とかの理由によるものらしいのだけど、要するに、同じ8時間寝たとしても、昼に寝るというのは、夜に寝るのと比べて、休息の効率が悪い。夜型の生活をしている人は、「同じ時間寝てるんだから、一緒だろう」と思うかもしれないけれど、そういうものでもないらしい。
体質のことを除いたとしても、やはりデメリットはある。世の中のたいていの店は、朝開いて、夜閉まる。それと逆の生活をすると、自分の活動時間と、世間一般の活動時間が重なる部分が少なくなって、単純に、不利益なことが多い。
しかし、いつでも多数派に合わせてればいいというものでもない。
通勤電車の混雑で不快な思いをするというのは、多数派の動きに合わせた結果だ。そういう場合は、世間一般の動きと逆に張れば、同じ運賃と通勤時間のコストで、快適さというメリットを得ることが出来る。
多数派に合わせるのがいいかどうかというのは、かなりケースバイケースだ。睡眠時間や、通勤電車のように、どちらに合わせるのがいいかわかりやすいものもあるけれど、たいがいの場合は、どちらがいいのかよくわからない、グレーゾーンにある。
常に多数派を選べばいいというものでも、常にその逆をいけばいいというものでもない。自分に合ったスタイルを最初から必ず引き当てることは出来ないけれど、その確率を上げるのは、ひとえに経験の力なのだと思う。だから、一つでも多くの決断の経験を積むことが、結果的に、直感的な判断の確かさにつながっていくのだと思う。