それでも恋するバルセロナ

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この作品の舞台として、スペインという場所は完璧だと思った。
スパニッシュギターの演奏、ガウディの建築、郊外の田舎町の風景、どれをとっても、ものすごく絵になる。
主要キャストは、バルセロナに住むアーティストの男が1人と、それに関わる女性が3人。この男が、いい加減でどうしようもないヤツかと思いきや、周りからの評判が悪いだけのことで、意外に正直でまともなヤツじゃないかと思えてきた。
途中から、登場する男たちはかなり影が薄い感じになってきて、完全に女性がメインの話しになる。特にペネロペ・クルスは、後半になってようやく登場するにもかかわらず圧倒的な存在感で、この人のオーラはすごいなと思った。この映画の中では、彼女がスペイン語で話してるというところが、またよかった。
(※この先、ネタバレあり)
対照的な性格を持つ、ヴィッキーとクリスティーナの生き方の違いが、物語のテーマになっているけれど、結局、マリア(ペネロペ・クルス)という天性の芸術家の前では、二人ともあまり大差はない、というオチになってしまった気がして、バルセロナを去るクリスティーナの姿には哀愁を感じた。
監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム