リリイ・シュシュのすべて


リリイ・シュシュのすべて

やはり、岩井俊二の作る映画はすごいと思う。
よくここまで、心に突き刺さるような話しが描けるものだと思う。
中学生たちを主人公にしてるにもかかわらず、ものすごくハードな設定であることに驚かされる。でも、たしかに、今の日本で最も過酷な環境にあるのは中学生であるのかもしれないという気がする。
独特の世界観と映像の美しさを追求しながらも、その年代の不安、希望、失望、残酷さをそのまま取り出したような映画。
全体的に辛い場面が多いのだけれど、その間に挿まれる、沖縄旅行の楽しい雰囲気がまた、かえって結末を悲しく感じさせる。
唐突すぎて理屈がよくわからないところや、筋が通っていないようなところも色々とあるけれど、それが現実の世界というものなのだから、その意味でも、とてもリアルな感じがする。