清華ちゃん

人生には何が起こるかわからない。
事故に遭ったり病気になったりで、一瞬にして生活が変わってしまう可能性というのは常に潜んでいる。
そういう時のセーフティーネットとして、世の中には障害保険という制度がある。
でも、いざという時にきっと助けてくれると思う友人がいれば、それは障害保険なんかよりもずっと頼りになる存在であるとオレは思う。
自分にとってさやちゃんは、そういう信頼が出来る人だ。
さやちゃんは身なりにこだわらない人だ。
トレーナーとジャージにサンダルで、すっぴんのまま子供を抱っこして出掛ける。
「結局、大事なのは中身だなと思うから」と、さらっと言う。
言葉だけだと、外見に自信がない人の負け惜しみのように聴こえるかもしれないけれど、さやちゃんには確かに、化粧や身なりで飾らなくても自然に存在が浮かびあがるような魅力がある。
ケチであるというのとも違う。
自分が大事と思うものには惜しみなくお金を使うし、身近な人が困っているような時にはためらうことなくお金を使う人であることをオレは知っている。
さやちゃんから感じるのは、偏らないバランス感覚をしっかりと持っているという安定感であり、どんな時であっても相談にのってくれるだろうという安心感だ。
そういう、全幅の信頼をおくことが出来る人が友人でいてくれるというだけで、オレは随分と気持ちを楽にさせてもらっていると思う。