マジックアワーの虹

無印良品の店を出た時、夕暮時の西の空がやけに黄色くて、街全体が巨大なセットの中にあるような、現実感を失った奇妙な雰囲気になっていた。
それと同時に、遠くの建物の輪郭まではっきりと見えるぐらいに空気がとても澄んでいて、パラパラと微かな小雨が落ちてきている。
ふと空を見上げると、長い虹の橋が架かっていた。
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こんなにも鮮明で一つ一つの色がくっきりと見える虹は、今までに見たことがないというぐらい、美しい形をした虹だった。
色々な気象条件が重なって、理想的な虹が姿を現したのだろうと思う。虹は、数分間のうちに、だんだんと色が薄くなっていき、あっという間に消えて無くなってしまった。
その後は、ものすごく特別なものを見たという感動と幸福感で、いっぱいだった。
自分の場合、あらかじめ人によって用意されて整備された眺めではなく、偶然その場に居合わせたことで出会うような、予期せぬ縁という部分に、感動の引き金があるのだと思う。