ソラニン 全2巻(浅野いにお/小学館)
予想を大きく裏切る展開に驚いた。
他の浅野いにお作品と比べると、混沌的な部分はだいぶ押さえ気味で、登場人物もまったく特別な人たちではなく、等身大のリアリティーがあった。
夢と現実のはざまで揺れる葛藤が、すごくよく伝わってくる。音楽や芝居などの表現に真剣に取り組んだことがある人には、共感出来るところだらけの、ど真ん中な作品に違いないと思う。
【名言】
「君が落としたのは、華々しく理想的な金の未来へのきっかけか?それとも、平凡だが安定いた銀の未来への決心か?」
「いや、なんかもっと・・大切なモノのような気が・・」(1巻p.111)
飛行機がビルに突っ込んだり、どっかで戦争始まったりした時!ヤな気分なのにどこかでちょっとわくわくしてるスゲー嫌な自分がいるんだ!だって俺らの未来には全然希望の光は見えてこなくて!劇的な変化もきっとなくて退屈な毎日が続くんだ!(2巻p.19)