奇抜な設定がなくともマンガの表現はここまで面白くなる。「天然コケッコー」


くらもちふさこの絵は本当に上手い。
絵だけでなく、コマ割りとか構図に加えて、微妙な心理描写に至るまで、余人の追随を許さない圧倒的なセンスを感じる。

自分自身がそこにいるような臨場感

連載中の「駅から5分」を読んでも思うことだけれど、既に大ベテランの域にいるマンガ家であるにもかかわらず、感覚が古びていないということに驚かされる。
既製のパターンをどんどんと崩していきながら、それでいて完成度が高いという離れ業をやってのける。

島根県あたりの田舎を舞台にした、日常生活の物語なのだけれど、奇抜な設定をまったく用いずに、ここまで面白く表現できるというのは、やっぱり相当スゴいことだ。
それは、登場人物一人一人にはっきりとした個性とリアリティーがあって、それらの人々がそれぞれの場面で見せるであろう言動をきっちりと描いているからなのだろう。だからこそ、ものすごく共感出来るし、自分自身がそこにいるような臨場感で、物語の世界に入っていくことが出来る。

ずっと心に残る作品というのは、こういうものなのだと思う。

名言


わしゃ気に入っとるかもしらん、大沢君のこと。
濃紺で・・フードが付いてて・・裏地がジャージで・・
ホントはそがあなもんどーでもよかったんじゃなあかな。(1巻p.102)


肉食うて文句言いよる!?(3巻p.188)


お父ちゃんもお母ちゃんもみんないつもと変わらん。
いんにゃ、変わらんようしとるんかもしれん。わしらが幸せでいられるように。
お母ちゃんの笑顔見とったら、幸せじゃった自分を恥じてしもぉたことを申し訳なぁ思う。(3巻p.279)


試験中にケシゴム落としたら、なぎ高から走ってきて拾ぉてやんさる?
毎日のたあいもなぁことが、ただケシゴム拾ぉてもらうことですら出来んよあなる。(4巻p.39)


じゃあ一番上の時だけ、「ぷ」。違ぉとる?
たぶんな。(4巻p.106)


高校でともだちができたああっ
とまあ、今まさにこがぁな心境なワケじゃが、それを表に出さんとこが、わしの負けん気の強ぉとこじゃなぁ。(5巻p.290)


じいちゃんの場合マジ入っとるし、やれんわぁ。(6巻p.59)
背が伸びてカッコようなった人も多いが、
前の方がよかったんちゃう?みたぁな人もおる。


大沢君?そりゃあどっちも似おうとるに決まっとろうが。(6巻p.171)


ちょっとまちんさーい!
「わしのこと」じゃのぉて「知り合い」っちゅうとるじゃろうがっ(7巻p.31)

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