これから何が起こるのか


これから何が起こるのか(田坂広志/PHP研究所)

田坂さんの、物事のとらえ方と、それを説明する論旨は、とても美しい。
必要十分な情報を元にして、まわりくどい言い方をせずに、実に的確に表現をする。その語り口で、Web2.0についての未来予測をするというのだから、これはたまらなく面白い。
著者は、過去に起こったことを振り返ったり、今流通している情報を寄せ集めて、もっともらしくまとめただけの話しをするのではなく、未来を予測して、そのビジョンを筋道立てて語る。だから、「なるほど」と納得が出来る話しであるというだけでなく、今までに聞いたことのない新説が多く含まれていて、目からウロコが落ちるような思いになる。
ものすごく濃密な一冊で、どの章にも手抜きがまったく感じられない。信じられないほどにコストパフォーマンスが高い本だと思う。
【名言】
かつて企業への情報システムの導入の時期に、一つの言葉が飛び交いました。「パソコンのできない中間管理職は、生き残れない」。この言葉も、誤解です。なぜなら、情報システムの導入で生き残れないのは「パソコンの使えない管理職」ではないからです。生き残れないのは「パソコンで置き換わる仕事しかできない管理職」なのです。逆に言えば、パソコンや若手社員では絶対に置き換えることのできない仕事というものがある。その仕事ができるマネジャーは、たとえ「パソコン音痴」であっても、いまも、職場で活躍しています。すなわち、「ネット革命」と「ウェブ2.0革命」によって、マネジメントの仕事は、一段、高度な仕事になっていくのです。(p.199)
「人材こそが、最高の知識資本である」という認識は、すでに多くの企業が持っています。それゆえ、多くの企業で、経営者や人事部長は、優れた人材の流出を最小限にするために、人事の評価や処遇に最大限の注意を払ってきたのです。従って、もとより、こうした「人材流出防止」の努力は、永年、すべての企業にとって大切な課題であり、これからの知識社会においては、ますます大切になっていくのですが、実は、ここで申し上げたいのは、その逆のことです。優れた人材は、かならず流出する。そのことを前提に、人材戦略を見つめておくべきなのです。これからの時代には、企業がどれほど一生懸命に、優れた人材の「引きとめ」や「囲い込み」を考えても、それが優れた人材であるほど、自分自身のプロフェッショナルとしての成長を求め、新たな世界での自身の可能性を試してみたいと願い、転職をすることは、しばしば起こるのです。転職をした後にこそ、優れた人材が、その企業にとっての最高の経営資源になるのです。それは、なぜか。「異業種ネットワーク」の時代だからです。これからの時代、企業の経営者や人事部長は、理解すべきでしょう。人材というものが「ストック」ではなく、「フロー」になっていく。そのパラダイム転換が起こっていることを、理解すべきでしょう。(p.261)

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