チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光
チーム・バチスタの栄光(海堂尊/宝島社)

名前からして、サッカーか何かの話しと勘違いしていたのだけれど、「バチスタ」というのは心臓外科手術の名称で、意外にも医療ミステリーの話しだった。
章分けは、「ネガ」「ポジ」「ホログラフ」に分かれていて、その名の通り、ネガとポジでは話しの性質も雰囲気もまったく異なってくる。ネガとポジが両方合わさり、補完しあって、一つの物語が完成するのだ。謎解きで読ませるというよりも、この、構成の見事さで成立しているミステリーといっていい。
文庫版は上下巻の2巻セットになっていて、その、上巻と下巻の分かれ方のセンスが素晴らしい。何故こんな中途半端なところで分けるのか?と最初は思ったけれど、後から考えると、この分け方がベストなのだ。
これがデビュー作にもかかわらず、次回作への伏線と思われる部分も含まれていて、最初から主人公の個性的なキャラクターで続編を作るつもりでいたのだろうと思う。あまり感情移入出来るキャラクターではないけれど、シリーズ化はしやすい設定だと思った。