「O」や「Mystere」がシルク・ド・ソレイユの表の姿だとしたら、この「Zumanity」は完全に裏の顔だと言える。
そのぐらい、他の舞台とは違った異色な内容になっている。
あまり内容に期待をしていなかったので、最初、観る予定はなかったのだけれど、丁度いい場所でぴったりと時間が空いたので、観る流れになった。これは本当に、観て良かったと思う、感動的なステージだった。
真剣にアートを追求しようと思えば、その表現は、いわゆる社会的な良識とは相容れないこともある。
その意味では、誰にでも開かれているステージというのは、その、公序良俗から逸脱出来ない、表現の中にかなりの枷をはめられた状態なのだろうと思う。
「Zumanity」は、シャレがわかる大人の街ラスベガスの中で、21歳未満入場禁止というリミット付きで上演されている。
そういう環境下で、思いっきり、「人生を楽しむっていうのはこういうことでしょう?」と問いかけている舞台だ。
光輝くきらびやかな部分だけでなく、こういう、アンダーグラウンドな面もラインナップとして抱えているという所に、シルク・ド・ソレイユの懐の深さを感じた。
場所:ニューヨーク・ニューヨークホテル
時間:19:30、22:30
休演日:月、木