花はいつも目の前に

我が世の春を謳歌している間は、
今まさに自分が春の中にいるということに気がつかない。
春にいて、春に気づかないくらい不幸なことはないと思う。
そこかしこに花は咲いている。
うつむいて地面を見つめているうちには
周りの景色は視界には入らない。
顔を上げれば
見渡す限り、
はるか地平線までも花は咲き乱れていることに気づくだろう。