比叡山で、天台宗の荒行「千日回峰行」に挑んでいた星野圓道さんが、満行して堂を出たというニュースを読んだ。
9日間食事や水を断ち、不眠不休で不動真言を10万回唱え続ける難行であるという。
■「千日回峰行」とは?
・千日回峰行は、十二年籠山行を終え、百日回峰行を終えた者の中から選ばれたものだけに許される行である。
・行者は途中で行を続けられなくなったときは自害する決まりで、そのために首をつるための紐と短刀を常時携行する。
・頭にはまだ開いていない蓮の華をかたどった笠をかぶり、白装束をまとい、草鞋ばきといういでたちである。回峰行は七年間にわたる行である。
・無動寺谷で勤行のあと、深夜二時に出発。真言を唱えながら東塔、西塔、横川、日吉大社と二百六十箇所で礼拝しながら、約30キロを平均6時間で巡拝する。
・700日目の回峰を終えた日から堂入りが行なわれる。無動寺谷明王堂で足かけ九日間(丸七日半ほど)にわたる断食断水断眠の行に入る。
・入堂前に行者は生き葬式を行ない、不動明王の真言を唱え続ける。
・出堂すると、行者は生身の不動明王ともいわれる大阿闍梨(だいあじゃり)となり、信者達の合掌で迎えられる。
、、すさまじい行だ。
星野さんが千日回峰行に入ったのは4年前、28歳の時。これほどの行を、その歳にしておこなおうとするまでの人生には、いったい何があったのだろう。
医学的には、堂入りの5日目にして生命の危機が訪れるという。しかし、いずれにしろ、途中で行を中断した場合には自殺するべしという掟がある。こういった修行が現代までなお続けられていることが驚きだし、それに挑む人がいるということも驚きだ。