将棋で、「金底の歩、岩より固し」という格言がある。
金の下に歩がある形は、シンプルではあるけれども攻守のバランスが取れていて、非常に優れた陣形なのだ。
パン屋の「サンジェルマン」のレジ横で、お金を置くトレイの下にセロハンテープが設置されているのを見た。トレイを使う時の動きは上方向に限定されるのに対し、セロハンテープを使う時の動きは手前方向に限定される。
この2つのセットは、空間を上手く利用しながら、どちらも互いの機能を妨げることのない形になっている。こういう、シンプルで、かつ機能的な組み合わせは美しい。