本を読む人には2種類いて、物語を求めている人と、言葉を求めている人とがいる。
それが小説であっても、数学や哲学の本であっても、見る人によってはそこに物語を見い出すし、別の人は言葉を見つけることもある。
物語からの視点というのは、極論をすればそれが何語で書かれていても通じるものがあるということだ。
言葉からの視点では、物語性がなかったとしても、意味を為す言葉が含まれていれば、そこに価値がある。
この2つの視点はまったく別個のもので、その視点の違いによって、同じ本でも見え方はまったく変わってくる。