思いおこせば

自分は子供の頃、相当な「きかん気」だった。
すぐにカッとし、周りに当たり散らし、
親に、妹に、クラスメートに、些細なことで因縁をつけては、
毎日感情を爆発させていなければ気がすまなかった。
欲しいものは何としても欲しがったし、
やりたいことは後先考えずに、すぐにやった。
何がきっかけだったのか、まったく心当たりがないのだけれど、
ある時を境に、ふっと、憑き物がおちたように
情緒が安定し、自分自身の感情を冷静にコントロール出来るようになった。
今から思えばあれは、
人よりも早く、太く短く訪れた反抗期だったのだと思う。
それが激しかった分、
残り火がくすぶることなく脱皮が出来たのだろう。
あの当時の自分に戻りたいとは、もちろん思わないけれども、
身の程を知らなかった頃の自分が持っていた
無鉄砲な行動力とエネルギーを見習いたい気持ちになることはある。