神々の指紋


神々の指紋 上下巻(グラハムハンコック/翔泳社)

かなり壮大なスケールの、興味深い話題が満載の本だった。
この本が提示しているのは、今の人類が知っている最古の文明である4大文明以前に、もっと高度な文明が存在していたのではないかという疑問で、それを立証するような事例が次々と挙げられていく。
南極大陸の姿が描かれている古地図や、エジプトのピラミッドとスフィンクス、マヤとアステカの古代遺跡のすべてが指し示しているのは、1万年以上前に、現代からは想像もつかないような技術が既にあったということの確かな証拠なのだという。
作者は、学者というよりもジャーナリスト寄りの人のようなので、学会や論文で正式に認められた意見というわけではなく、どこまでも、個人の推測の域を出ないという点で、トンデモ本にやや近い位置にあるかもしれないけれど、しかし、読むほどに、これは知られざる古代文明の存在は間違いないという気持ちになるほどの、強い説得力がある。
この本に書かれていることが、どこまでが実際の真実なのかはわからないし、それを確かめるすべもないだろうけれど、正解なのかどうかということはもはや、別にどうでもいいだろうという気がする。
地球上に、まだまだ数多くの未解決の不思議が残されているということは事実だし、ここまでワクワクするような物語を提供してくれたこの本と作者には、それだけで敬意をはらいたい。
【名言】
1770年代にハリソンのクロノメーターが一般的になるまでは、精巧なクロノメーターは存在しなかった。この画期的な発明があってはじめて、地図製作者は経度を正確に確定できたのだ。シュメールも古代エジプトも、ギリシアもローマも、すべての知られている歴史上の文明では、経度の測定ができなかった。できるようになったのは18世紀なのだ。したがって、近代と同じレベルの精度で緯度と経度が記録されている古代の地図に遭遇することは、驚きであり多くの疑問を呼び起こさざるを得ない。(上巻p.36)
ティアワナコおよびビラコチャのもう一つの遺産と思われるのは、土地のアイマラ・インディオたちが使っている言語だ。学者によってはこの言語は世界最古だという。
1980年代にボリビアのコンピュータ科学者イバン・グスマン・デ・ロハスは、偶然だが、アイマラ語は単に古いだけではなく、極めて精巧に作られた人工の言語らしいという重大な発表をした。とくに注目すべきはアイマラ語の人工的構文法だ。厳格に構成された、曖昧なところのまったくない構文であり、現在の「自然にできあがった」構文では到達不可能なレベルに達しているという。合成され高度に組織化された構造を持つため、アイマラ語はコンピュータの、一つの言語から別の言語への翻訳に使われるアルゴリズムに簡単に変換できる。(上巻p.121)
考古学的証拠が示すところによれば、普通、人類社会においてはなにごとも年月を経て進歩していくが、古代エジプト文明もオルメク文明もいきなりすべての形態を整えて出現している。原始から高度に発展した社会への移行の期間はあまりにも短く、歴史として見ることができないのだ。数百年、あるいは数千年かかるはずの技術的進化が、ほとんど一晩で起こってしまっており、先行するものが何も見つからない。(上巻p.180)
太陽の引力圏は、24兆キロメートル以上も宇宙に広がり、最も近い恒星までの距離のほぼ半分にまで到達しており、もちろん地球もその内側に捕らえられている。したがって、太陽が地球を引っ張る力は強大だ。もう一つ、地球に影響を与えるのは、太陽系の仲間の惑星たちの引力だ。各惑星の引力は、太陽を回る軌道から地球を遠ざける方向に働くことが多い。だが、惑星の大きさはそれぞれ違い、太陽の周りを異なった速度で回転している。したがって、各惑星の引力の影響は時の経過とともに複雑だが予測可能な変化をし、それに伴い地球の公転軌道の形も常に変化している。(上巻p.303)
メッセージを伝えようとする者が求めるのは、普遍的な言語であろう。どの時代でも、たとえ千年あるいは一万年先でも、技術的に高度な社会なら理解できる種類の言語を求めるはずだ。そのような言語はまれだが、数学はその一つだ。そうなると、テオティワカンの都市は、永遠の言語である数学で書かれた、失われた文明の名刺なのかもしれない。(上巻p.360)
それにしてもこの、河岸神殿の石のサイズは異常である。単に違う年代のものだと言うだけではなく、違う価値観が反映されている。現代の我々にはまったく理解できない審美眼、構造上の関心を持っており、規模の感覚がまったく異なっている時代だ。たとえば、なぜこのような扱いの難しい200トンもの一本石を使用するのか?それらを切って、10トンとか20トンとか、あるいは40トンとか80トン程度の石にしたほうが、扱いやすいのではないか?なぜ、もっと簡単な工法で似たような外観が得られるのに、わざわざ難しい方法で仕事をするのか?(下巻p.88)
「筋書きがおかしいのではないでしょうか。構造的にお粗末な、がらくたのようなピラミッドを建てた後、突然、構造が非常に優れている信じがたいピラミッドが建てられた。その直後に、再び構造的にお粗末なピラミッドが建てられた。これは不可解です。これは、たとえば自動車産業が箱型モデルTフォードを発明して製造した後、突然、93年型ポルシェを製造しはじめ、数台造り、その後造り方を忘れ、初期のモデルTフォードを造り始めるのと同じようなものです。文明はこのように変遷するものではありません。」(下巻p.190)

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