雨の降る日曜は幸福について考えよう(橘玲/幻冬舎)
経済的側面から社会の様々な事柄をテーマとして語る。その観察は冷静で、論理的だ。
偏らず、昂らず、独自の視点の語り口は、新たな気づきをたくさん与えてくれた。
世の中の出来事というのは、経済の知識を持っていると持っていないとでは、その見え方が大きく変わってくるものなのだというこということを、この本ほど感じさせてくれたものは今までになかった。
【名言】
有名病院で三分間の治療を受けるのに半日かかる。誰だって、高名な医者に診てもらいたいと思う。病院の選択が自由で医療費が安ければ、患者の集中は防ぎようがない。結果的に、日本では暇な人ほど質の高い医療を受けられる。
金で患者を差別するのは不平等である。では、時間による差別は何と呼ぶのだろう?(p.66)
プライバシーというのは、いったん失えば二度と取り戻すことはできないという際立った特徴を持つ貴重かつ稀少な資産だ。(p.153)