自分がわからないだけ

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勧められた本を読んで、期待していたほどではなかった、ということが時々ある。
自分はたとえば、宮部みゆき氏の作品の面白さがわからない。
「宮部みゆきの小説はつまらない」と言いたくなってしまうところだけれど、それは違う。単純に、「その面白さを自分がわからない」というだけのことだ。
つまらないものが人の噂にのぼったり、ベストセラーになることはない。
世の中には面白いことがいっぱいある。
すべての学問は、それに興味を持つ人がいるから成立しているし、すべての本はそれを面白いと思う人がいるから出版されている。
どんな些細なものやニッチなものにも、それに興味をもつ人はいるもので、そう考えると面白くないものなどほとんどないかもしれない。
毎日がつまらないとしたら、つまらないのは世の中のせいではなく、自分が世の中の面白さを理解できるレベルに達していないだけだ。
感受性と理解力とを身につけている人というのは、多くの知識を持っている人以上に豊かな人なのだと思う。