これは、何がしたい映画か、意味がよくわからなかった。
「かもめ食堂」や「めがね」に似せた感じの空気はあるのだけれど、それがしっくりきていなくて、なんかやたらと違和感を感じる。無意味に長い間とか、セリフなしの無音の時間がたくさんあって、とにかく落ち着かない。
癒しっぽい雰囲気を出そうとスローテンポな構成にしてるのかもしれないけれど、そうだとしたら、まったく逆効果な気がする。
親子の関係もすごくギクシャクしているし、登場人物同士の関係もまったく深まらないままだし、不条理劇なのかと思うぐらい、何も明らかにされず、解決もされないままに話しが終わってしまった。
タイを舞台にしているのだけれど、バンコクからイメージされるような賑やかな感じはまったくなくて、チェンマイの郊外のほうの小さな街であるらしく、景色がとても美しい。
その景色の美しさと、不条理的な非現実感があいまって、夢の中の世界にいるような印象が残る作品だった。
目黒シネマで2010/1/22(金)まで上映中
http://www.okura-movie.co.jp/meguro_cinema/