天使と悪魔

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原作の小説を読む前に、映画から観た。
2時間という枠の中で作品を作っているわけだから、原作からかなりの主要部分だけを抜粋した、ダイジェスト的な構成になっているんだろうけれど、それでも充分にストーリーの面白さが伝わる内容になっていたと思う。
ヴァチカンを舞台にして、よくこれだけの映像が撮れたものだと思う。どこまで本物に近いかわからないけれど、教皇庁の内部や、スイス衛兵隊のヘッドクォーター、群集が集まった夜のヴァチカン広場など、普通では見られないような画がたくさんあるのが良かった。
ヴァチカンの教会や建造物や彫刻の撮り方がものすごく美しく、しかもLHC(大型ハドロン衝突型加速器)や、密閉型書庫室のようなテクノロジーも手抜きなく再現されていて、映像という面では文句のつけどころがないほどに素晴らしい。
原作の構成が緻密に良く出来ているという時点で、成功の半分までは決まっていたようなものだと思うけれど、それに依存せず、映画の良さをミックスさせて更にドラマチックな大作に仕上げた熱意がすごい。