なんといっても、イギリスの田舎の風景が美しくて素晴らしい。今から200年ほど前のイギリスの、住居や衣装や暮らしぶりがよく伝わってきて、それが、観ていてとても楽しい映画だった。話しそのものは、原作のダイジェスト版のような感じで、要所要所を上手く取り出して、作品の雰囲気をとても見事に伝えている。
コリンズやダーズリーなど、いずれのキャストもハマり役だったと思うけれど、エリザベス役のキーラ・ナイトレイが、あまりにも気が強そうで、イメージと合わなかった点だけが、ちょっとイマイチなところだった。
この作品の原題は「Pride and Prejudice」だけれど、邦訳版の小説では「自負と偏見」という場合と「高慢と偏見」の場合の2種類がある。
「高慢」はネガティブな印象の単語で、「自負」はポジティブな印象の単語なので、この2つの意味は結構異なる。その点、この、映画版のタイトルである「プライドと偏見」というのは、一番原題のニュアンスをそのまま残した、適切なネーミングと思った。
■プライドと偏見(2006年)
出演:キーラ・ナイトレイ、ジェーン・オースティン