100万ドルの狂騒から目を醒まさせるのは平凡な生活の思い出「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」

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モーガン・フリーマンが出ている映画であれば、無条件で見たくなる。
(以下、ネタバレ含みます)

住み慣れた我が家を売るべきか?

マンハッタンの家を売るだの買うだので、100万ドルもの大金が動く時には人の精神はおかしくなってしまう。ましてやそれが、不動産業とは何のゆかりもない、ごく普通の老夫婦であればなおさらのことだ。
そこに、愛犬が病気になったり、数分のうちに大金を動かす損得の結論を出さなければいけないというプレッシャーが重なったら、とても平静ではいられないだろう。
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その一時的な狂騒から目を醒ますきっかけになったものは、無辜の市民が容疑者に祭りあげられたテロ事件、というのは関連がちょっとよくわからなかったけれど、ともかく手遅れになる前に気がついてよかったなと思う。
そして、それと対比するように描かれているのが、フリーで不動産仲介をしていてかなりの辣腕であろうと思われるシンシア。もし主人公たちがこの狂騒に気がつかないまま進んでしまった場合の成れの果てが彼女の姿なのだろう。
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これまでに夫婦がたどった、平凡だが幸せだった生活を振り返りながら、だんだんと自分たちの原点に気がつくという構成が面白かった。
自分たちには子どもが出来ないと知った時の、若き日の二人の会話がとても良い。
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作品情報

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」公式サイト
2014年、ドラマ/コメディ、1時間32分
出演:モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン