50人の人質をとって籠城する銀行強盗の話し。この作品は、「何のために」「どうやって」銀行強盗を実行しているのかがポイントになっていて、ちょっとサスペンスの風味が入っている。銀行強盗と渡り合う刑事や交渉人のほうも、いずれも腕利きで、その駆け引きが面白い。
デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ジョディ・フォスターの3人とも、持ち味がうまく出ていて、その点も良かった。
とにかくスゴいのは、銀行強盗犯の頭の良さと、計画の用意周到さだ。
この映画のプロットは、細かいところまで本当によく出来ている。さりげない一言や、犯人の小さな動きに実は大きな意味があったことに、2回目を見て初めて「なるほど!」と気づいたところがたくさんあった。銀行強盗を題材にした映画は数あれど、その中でもとりわけ、犯人がカッコいい作品だ。
「インサイド・マン」というのは、「銀行の中に立てこもっている」人のことを言っているのかと思っていたけれど、観終わった後に、この言葉にはもっと多くの意味が含まれていることに気づいた。このタイトルは、本当によく考えられている。