ディザスター映画というのは、映像は年々ものすごい勢いで進化しているけれど、ストーリーの部分は何故か似たようなパターンなことが多い気がする。
この「2012」も例にもれず、ストーリー的には今までに何度も見たようなパターンで、アメリカ大統領や国家元首が登場して、むりやり話しのスケールを水増ししてるところまでデジャヴだ。
ニュースを知った民衆はパニックになって、われ先に逃げのびようと自己勝手な行動に走るのだけれど、主人公にそれが最も顕著で、自分と家族が助かることしか考えていないというのは、ちょっとひどい感じがする。
しかし、映像の特殊技術の面ではかなりスゴい。地割れや津波によって、地球が大災害にみまわれる場面は、とんでもない迫力の映像だった。
来たるべき新世紀にむけて、ノアの方舟に各種の動物を選別して乗せるだけではなく、モナリザなどの文化遺産を保存しようとするあたりはリアルだと思う。
太陽から放射されるニュートリノの変化によって、どのようなメカニズムで地球の環境に大変化が起こるのかについての説明も、とてもわかりやすい。
地球が、いかに精密なバランスの上に成り立っていて、それがほんのわずかでも狂った時にどうなってしまうのかを検証するシミュレーションとして、かなり面白い内容だった。