ドキュメンタリー並みに淡々としていて、チェの描き方がとても面白いと思った。派手な部分を前面に出さずに、軍規を正して、ひたすら実務的に革命を遂行していく姿をメインにしている。このほうが、たしかに、チェ・ゲバラという人の魅力と恐ろしさは伝わってくる気がする。
革命軍対政府軍の、市街戦のシーンが一番スゴい。
映画っぽく戦闘機や爆発が画面を埋め尽くすようなものではなく、シーンとした街にただ銃声だけが響く中、人と人とが直接、銃を持って対峙する緊張感が伝わってくる。
線路の下に石を置いて列車を脱線させたり、壁をハンマーでぶち抜いて敵地に侵入したり、正面衝突ではないゲリラ的な戦い方が、見ていてとてもリアルだと思った。これは、映画でなければ表現出来ない、革命期の南米の、沸騰寸前の空気をかなり忠実に切り取った作品なのだと思う。
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