ラスベガスというのは、街一つが丸ごと、年中無休でお祭りをやっているような場所だ。お菓子で家を作るような粋な遊びを、本気でやっている。
何の現実世界のしがらみもない砂漠の真ん中に、ゼロから街を作ったからだろうけれど、よくこんな街が、世に出来上がったものだと思う。
飛行機がマッカラン空港に降り立った直後に、ルクソールホテルのピラミッドが見えて、早くもテーマパークの中に入ったような気分になり、空港のゲートをくぐったところから既にスロットマシーンが並べられている。
街のすべてが、遊ぶこと、快楽を尽くすことを思いっきり肯定している感じだ。
遊園地と言うよりも、万博の面白さに近い。
一本の大通りの左右に、見るからに個性豊かなメガホテルが建ち並び、そのどこか一つのホテルの中だけでも、一日中いても飽きないような新奇な世界が広がっている。次のパビリオンではいったい何が見れるのかという、先の予測がつかない楽しさがある。
カジノで潤っているからなのか、宿泊費が安いというのが素敵だ。休前日はそれなりに高いけれど、混む日をはずして行くと、名だたるホテルでもびっくりするぐらい値段が安くなって、滞在しやすくなる。
ラスベガスにいると、夜には観るべきものがたくさんあるにもかかわらず、昼間になると催しが少なくなるので、割とヒマになる。
日本から行く時には、むしろ時差ボケした状態で昼夜逆転させたほうが愉しく過ごせる街なんじゃないかと思う。