レバレッジ・シンキング

レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術
レバレッジ・シンキング(本田直之/東洋経済新報社)

仕事のやり方を変えて、「少ない労力で、多くのパフォーマンスをあげる」レバレッジを意識しよう、という内容の本。日々の業務をマニュアルによりルーチン化したり、時間に期限を設定する、など、書かれている内容は特に新しいものではなく、オーソドックスなものが多い。しかしその分、大いに納得出来ることばかりだった。
この本にも書かれているが、個人的には、レバレッジをきかせる最も効果的な方法は、他者のやり方や前例の良い部分を真似ることだと思っている。だから、「ゼロから1を生む」というクリエイティブな作業よりも「1から100を生む」ことに重点をおいている、この本のスタンスはとても評価できる。
筆者が勧めている本や、雑誌、テレビ番組の紹介は、どういう雑誌やテレビ番組が世間一般的に「質が高い」と考えられているかを知る上で、とても参考になった。


知識にレバレッジをかける、その基本は「1から100を生む」です。「ゼロから1を生む」ではありません。「ゼロから1」は非常にクリエイティブな作業です。発明といっていいでしょう。かかる労力も時間も膨大です。そして、エネルギーをかけたにもかかわらず、成果がたいして上がらないことや、失敗するリスクも高い。せっかくの努力が徒労に終わるかもしれません。一方の「1から100」はレバレッジです。すでにある1の質を高めたり、付加価値を加えるという方法は、少ない労力と時間で成果が上がります。一握りの天才を除いたほとんどの人は、誰か成功した人のやり方を学んで、そこに自分なりの応用を加えるのが成功の近道です。試行錯誤に労力と時間を使うのではなく、すでにある1の質を高めたり、付加価値をつけたりしたほうが、少ない労力と時間で済み、成果が上がりやすいのです。(p.118)
世界ナンバーワンのカリスマコーチといわれるアンソニー・ロビンスはこう言っています。「世界を動かしているような人は、えてして他人の優れているところを盗むことに長けている。彼らは『他人の経験を手本とし、成功のエッセンスを学び取る技術』を習得している。そうすることで時間という貴重な資源を有効に活用しているのである。」(p.123)
大切なのは、相手にどんなバリューを提供しているかです。また、誰を知っているかではなく、誰に知られているかです。「こんな有名人を知っている」という人がいますが、相手はその人のことを全く知らなかったり、少し知っているという程度ということもあります。これでは何も意味がありません。(p.151)
人脈をつくるうえでの基本は、相手にコントリビューション(貢献)することです。もしコントリビューションできるものがなければ、そのときはアプローチせず、何かが出来そうなタイミングでおこなうとよいでしょう。そう考えると、今すぐ著名人と会っても、まず何もコントリビューション出来ません。コントリビューションできる何かを持っているのならお互いに会う価値があると思いますが、そうでないのに会っても、相手もつまらないし、こちらも相手にしてもらえないでしょう。(p.155)