スケアクロウ
映画の良し悪しは、エンドロールがあらわれた瞬間に感じる気持ちにすべてがあらわれるものだと思う。この映画は、その、エンドロールに入る瞬間が最高だ。
話しが進んでいくごとに段々とわかってくる、主人公2人のキャラクターの対比がいい。一緒に旅をしながら時を過ごすことで、友情が生まれると同時に、お互いが影響を与えあって成長していく様子が、実に見事に描かれている話しだ。
スケアクロウというのは「かかし」のことで、かかしは、カラスを追い払うために、その見た目で脅かしているのではなく、笑わせているのかもしれない。
そんな意見を最初はバカにしていたマックスが、ついには従って、人を笑わせるシーンが素晴らしい。
設定が綿密で、細かな伏線が色々とあるので、最初に見たときには意味がわからない部分も、二度目に見た時に「そういうことだったのか」とわかることが多い。そんなところや、一つ一つのセリフにも、つくりの丁寧さを感じる。
「スケアクロウ」(1971年)
監督:ジェリー・シャッツバーグ
出演:ジーン・ハックマン、アル・パチーノ