鎌倉の由比ガ浜にある鎌倉文学館で、中原中也の生誕100周年にちなんで開催中の特別展。
詩編そのものの紹介よりも、鎌倉にも縁のあった中原中也の生き様にフォーカスをした展示になっている。
圧倒されたのは、その境涯の凄まじさだ。
恋人は自分の親友(小林秀雄)のもとへと去り、一人目の子についで二人目の子も死に、貧乏と不遇の中、自身も体を病んで30歳の若さで死んでいる。
ほとんどの詩は、同人誌や自費出版でかろうじて発表出来たもので、生きているうちには世間的な評価を受けることはほとんどなかった。
ただ、そういう彼が不幸だったかといえば、それはわからない。
人生のほとんどを詩作に没頭して過ごし、少ないながらも、小林秀雄のような、自分の作品の真価を心から評価してくれる知己もいた。
今なお、中原中也の存在が人の記憶に残っているのは、その様がいかにも詩人としてまっとうされた生涯だったからではないかという気がする。
■企画展 中原中也 詩に生きて
http://www.kamakurabungaku.com/exhibition/
【開催期間】2007年12月16日(日)まで
【開館時間】9:00~16:30(入館は30分前まで)
【休館日】月曜日