「柿喰う客」という劇団の、「傷は浅いぞ」という公演を観てきた。
かなり、衝撃的だった。
セットが一つもないミニマムな舞台装置も、先の読めないストーリーの意外性も、テレビでは放映出来ないアウトローなセンスもスゴかったのだけれど、何よりも、息もつかせぬテンポの良さに圧倒された。
たとえば75分間という長さの芝居を観るにあたって、テンポが悪いというのは何にも増して致命的な欠点だと思う。どれだけ筋書きが良くとも、流れが良くないために集中が切れたり、退屈してしまっては、台無しだ。逆に、多少のアラは、テンポが良ければ、それほど気にならなくなってしまう。
なんだかアイデア豊富な劇団で、公演日ごとに様々なイベントが企画されていたり、マスコットキャラクターが月や公演単位で様変わりしたりと、細かい部分の遊び心があちこちに見えて、そのノリがステージにも反映されていた。
「テレビでは放映出来ない」というのは最高の褒め言葉だと思っている。テレビでは表現出来ないことを表現可能という点で、演劇は大きなアドバンテージを持っていると思うからだ。
この感想を読んで興味を惹かれた部分があれば、ぜひ一度、観てみてほしいと思う。
柿喰う客「傷は浅いぞ」
2007年11月14日(水)~26日(月)@王子小劇場