伝説と呼ばれる舞台が久しぶりに上演されるということで、とても楽しみに赤坂ACTシアターまで観に行った。20年前の、当時の雰囲気をそのまま残して再演をしているとのことで、衣装やファッションも、かなり昔懐かしい感じだった。
舞台の空気そのものも、コントラストがとてもくっきりしていて、楽しいところはとことん楽しいし、悲しい場面はとことん悲しい。そして、その振れ幅も広く、ストレートに表現されている。
初演が本多劇場だったということもあるだろうけれど、小劇場のステージから感じるのに似た臨場感が、そのまま残っていると思った。小劇場とはまったく違うのは舞台セットで、その作り込み方が半端じゃない。特に、巨大迷路を縦横に組み換えることによって表現される異世界のような空間と、宇宙船のセットのクオリティーは素晴らしかった。
途中、ブラックライトで宇宙船内が照らされる場面があって、何で客席の自分のところにスポットが当たってるんだろうと思ったら、その時着ていた白いシャツがブラックライトで思いっきり発光してるせいだとわかって、笑った。
切なさというのは、刹那の瞬間と、長い時の流れ、という相反する要素の両方が含まれている時に強く感じる感情と思うのだけれど、このミュージカルは、それが絶妙なバランスで組み合わされた作品だと思った。
頭ではなく感覚にそのまま伝わってくる物語で、全体から大きなエネルギーを受け取ることが出来た舞台だった。
【音楽座ミュージカルホームページ】
http://www.ongakuza-musical.com/about/stage/shabon/shabon.php
東京公演 2009年6月6日(土)~14日(日)
大阪公演 2009年6月19日(金)~21日(日)
神奈川公演 2009年6月27日(土)~28日(日)