毒を出す生活 ためる生活(蓮村誠/PHP研究所)
とても良いことを知った気持ちになる本。
前著の「毒を出す食ためる食」は、かなり衝撃的な内容だったのだけれど、この本は、その続編で、食べ物に限らず生活習慣全般について幅広く説明した構成になっている。
この本は、アーユルヴェーダというインドの生活哲学に基づいていて、そこでは、体質を何種類かに分けて、その体質によって、極端に進まないようにバランスを取るというのが基本方針であるらしい。
たとえば、「小麦」が体にいいかどうかは、その人の体質のタイプによるので、一概にはいえない。実際、どんな食べ物や健康法であっても、一長一短あるはずだし、人によって向き不向きというのはあるはずなので、この基本方針はとても理にかなっていると思う。
ただ、自分の体質のタイプが正確に見極められないと、この本にあることを実践しても逆効果になることがあるということや、色々専門用語がわかりにくく、その点が面倒なので、自分の体質がどのタイプなのかというのも、特に判定することはしなかった。
どの体質かということによらず、全ての人についてあてはまる事柄も多くて、そこはすごくタメになった。前著の「食」に特化した内容よりも、「生活習慣」についての解説ということで、さらに「なるほど!」と思うことは多かった。今回特になるほどと思ったことは、下記の内容。
・一日三食よりしっかり二食がよい(p.34)
→昼食時は消化力が強いので、一日の中心の食事にして、夕食を軽くする。
・22時までに寝る(p.50)
→いくら長時間眠っても、「朝遅くまで寝ている」「22~2時に起きている」と疲労は取れない。
・半身浴はとても体に良い(特に朝風呂)(p.147)
・夜の運動は、肥満と不眠と老化をまねく(p.22)
・牛乳は「空腹時に」「温めて」「単独、もしくは甘いものと一緒に」飲む(p.122)
やはり、早寝早起きはアーユルヴェーダの中でも良いものらしい。
【名言】
牛乳はとても栄養価が高く、オージャスにもなりやすい、すばらしい食材です。牛肉や豚肉はオージャスになるのに食べてから2~3週間かかりますが、牛乳は30分~1時間といわれています。でも、牛乳には正しい飲み方があって、それを守らないと牛乳のめぐみを最大限に受け取れないばかりか、アーマになってしまいます。(p.122)
ぜひ毎朝、舌ごけのチェックをしてください。舌ごけには前日の夕食の影響がてきめんにあらわれ、量が増えたり減ったりします。夕食がちゃんと消化されていれば舌ごけが少なく、夜遅くに夕食を摂ったりしてアーマが多くできてしまったときには、舌ごけの量も増えます。また舌ごけは朝10時を過ぎると体内に再吸収されてしまいますから、それまでに除去してください。(p.132)
アーユルヴェーダのプロの料理人は、絶対に、料理の途中で味見をしません。目で見て、匂いを嗅ぐだけで料理を仕上げ、人にだします。味見をすると、その料理が「食べ残し」になってしまうからです。たとえひと口でも食べてしまうと質が変わってしまうといい、繊細な味覚の持ち主は、食べものの味から「料理人が味見をしたかどうか」を判別できるのだそうです。(p.161)
「リーブル」の読書日記