プロ論。
(B-ing編集部/徳間書店)
【コメント】
各界の著名人達への、「プロとはなにか」というインタビュー集。
成功していると言われている人の言葉は、成功したからこそ注目されるもので、そのほとんどは、後から結果論として辻褄をあわせたものではないかと自分は思っている。
だから、言葉のすべてを鵜呑みにするわけにはいかないと思うけれども、中には幾つか、体験から生まれた知恵の結晶のような言葉がある。それにめぐりあえただけでも十分にこの本を読む価値はあると思った。
【名言】
「自分の職業に関して第一人者になるためには、少なくとも知るべきことは全部知っておかなければなりません。もちろん勉強が必要です。たとえば店長でも、店舗経営に必要な全部のことを勉強しようと思ったら半端な努力では済まない。でもマスターしないと、その職業を自分でコントロールすることは不可能なんです。この過程で得られるものは途方もなく大きい。」<柳井正>(p.63)
仕事の醍醐味は苦しさにこそあるんです。挑み続ければ、負け続ける。でも、一流を目指そうという気概とその苦しみは、必ずいい仕事を残してくれます。一流を目指すのも二流でいるのもどっちにしても苦しいんです。でも一流になるための苦しみのほうが、自己欺瞞で苦しむより、自分のプライドを捨てるより、まだ楽です。<中島義道>(p.171)