すごいよ!!マサルさん(うすた京介/集英社)
※ウ元ハ王版は全5巻、通常版は全7巻
ワイド版になって、2色刷、全5巻組で復刻した完全(ウ元ハ王)版。
5巻のあとがきで、うすた京介氏自身が12年ぶりに「マサルさん」について書いているのだけど、これがかなり面白い。「マサルさん」は、連載当時最後のほうになって内容が粗くなり、かなりグダグダになって突然打ち切りという、週刊ジャンプに典型的なパターンで連載が終了した。あの急な変化は一体何だったんだろうと不思議だったのだけれど、このあとがきを読んで、その当時の作者の苦悩がよくわかった。
うすた京介氏は連載開始当初21歳で、連載を持つということ自体が始めてだったところに、いきなり週刊ペースで描き続けることになった。特にギャグマンガでネタを出し続けるというのは大変なことで、そう考えれば、あのクオリティーの高さで一年以上の間、連載が維持出来たということが奇跡的だったと思う。
昔に読んだマンガというのは、今読み返すと昔ほど面白く感じられないことが多いけれど、このマンガは今読んでも変わらずに面白い。と、いうより、小学生じゃわからないんじゃないかと思うようなマニアックなネタも多数あり、今思えば、かなりの独自路線を突っ走っていた作品だった。