エディンバラ


この街は、本当に美しかった。
 
海と丘と緑とが絶妙に配置されて、起伏に富んだ土地自体が、奇跡的なバランスを保って形づくられているということもあるし、街を見下ろす形で岩山の上に聳えるエディンバラ城の威容が、なんといっても素晴らしい。
 
瀬戸黒のような渋みをもった重厚感といい、切り立った崖の上に堅固に構えた安定感といい、城というのはかくあるべき、という鑑のような城だ。城に展示されている、即位の宝器として使われていたという王冠や宝剣も、目を瞠るばかりの見事さだった。
 
この城は外から眺めるとカッコいいのだけれど、中に入ってみると意外に小さく、こじんまりとしている。それでも、城から見た景色にはまた圧倒的な美しさがあって、エディンバラという街は、この類まれな景観そのものが一番の見所なのだと思う。
 
城の中にいたガイドの人たちは、タータン柄のキルトを着ていて、これはガイドの衣装(コスプレ)なのかと思っていたら、街中でも普通にキルトを着ている男の人をあちこちで見かけた。
エディンバラには滞在時間が短かったので、短時間で移動するために、駅前から出ていた、街中を一周するバスツアーに乗った。
 
このバスのチケットは24時間有効で、好きなタイミングで乗り降りが出来る。街中の主要な場所をまわってくれる上に、バスガイドが通り道の建物についての解説をしてくれるので、とても良い。