イギリスにある古代遺跡はストーンヘンジが最も有名だけれど、それ以外にも、数え切れないほど多くの「石の遺跡」が各地に点在している。
エーヴベリーは、世界最大のストーンサークルがある町だ。というよりも、巨大なストーンサークルの中にすっぽりと入ってしまっている町というほうが正しい。遺跡に中に住んでしまっている人がいるというところがスゴい。
町といっても、教会とINN(宿付きの酒場)と、いくつかの家があるくらいの、とても小さな町だ。真ん中は変わった形の交差点になっていて、そこがサークルの中心になっている。大部分は平原になっていて、そのあちこちに、規則的な形で石が点在している。
その、町の中にある巨石の数たるや、ものすごいもので、これでも、今までの間に多くの石が破壊されて、家の建材に使われてしまった後であるらしい。動物が入らないよう、簡単な柵で囲われてはいるものの、自由に柵の中に入って石には直接触れられるようになっている。隣りに立つと、その一つ一つの大きさに圧倒される。
このエーヴベリーの周辺にはもう一つ、歴史的な遺物として、シルベリーヒルという塚がある。自然に出来たものではなく、人工的に作られたものであるらしく、日本の円墳のような形をしている。墓のように何かが入っている形跡もなく、その目的や作られ方はまったくの謎。近くには「白い馬」の地上絵が描かれていたりと、なんだか夢とうつつとが混在しているような町だった。