面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則


面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則(本田直之/大和書房)

この著者の面倒くさがり方は相当、堂に入ったものだと、読んでいて感心する。「先にちょっとの手間をかけて、後の大きな面倒を減らす」という基本思想には、とても共感出来るので、書いてあることは納得がいくことが多かった。特に、「モノを捨てる」ということと、「遅刻の面倒くささ」の法則については、本当にその通りだと思う。
著者の「レバレッジ」シリーズの内容のエッセンスをシンプルにして、まとめ直したような内容になっている。
一つのテーマが2~4ページにまとまっていることと、絵入りのためにかなり読みやすくなっているけれど、その分、分量的にはかなり少ない。かといって、内容が薄いかといえばそうではなく、この少ない文章の中に、相当に重要な筆者のノウハウが凝縮されている感じがする。
この分量で1,000円という値段を安いとみるか高いとみるかは人それぞれだけれど、この本からたった一つでも気づきがあるのであれば、充分に価値がある内容なのではないかという気がする。そのぐらい、ここに書かれているのは、変化した時のインパクトが大きいことばかりだと思う。
【名言】
そもそも人間には、自分の能力で解決不能な問題というのは、降りかかってきません。
たとえば、現在のわたしが「世界紛争問題を解決せよ」といった責任を負わされることはありえません。わたしにそんな能力はないし、能力がない人に対して、誰もそんなことなど期待しないからです。
つまり、われわれに降りかかってきた問題は、すべて「ほんの少しがんばれば解決可能」なものばかりなのです。(p.49)
ホテルやレストランに限らず、良質なサービスを提供するところには、多くの人が集まります。
そして多くの人が集まるということは、それだけ断られたり、待たされたりする確率が高くなるということです。これはとてつもなく「面倒くさい」ことです。
ですからわたしは、どこかに出かけるときには必ず予約をとるようにしています。良質なサービスを受けようと思うなら、予約は欠かせないものなのです。(p.78)
遅刻すること、あるいは時間ギリギリに駆けつけること。これはとてつもなく面倒くさいことです。
まず、待たせた相手に失礼ですし、その日の対面がいきなり謝罪からスタートすることになってしまい、気分的にもすぐれません。きっと交渉事もうまくいかないでしょう。
これは待ち合わせをする相手がいない場合も同じことで、飛行機や新幹線、映画の上映時間などに遅れそうになると、それだけでストレスになり、いいことがひとつもありません。また、遅刻しそうになって走ったり汗をかいたりするのも、かなり面倒くさいものです。
つまり、早めに準備して早めに出掛ける面倒くささよりも、遅刻することで生じる面倒くささのほうが圧倒的に大きいのです。(p.126)