2023年に読んだ小説ベスト3|物語の本質的な面白さは変わらない

今年読んだ本を振り返ると、実用書よりも、小説やノンフィクションを多く読んだ年でした。

YouTubeで書評動画を配信していたときに実用書やビジネス書ばかり読んでいた反動か、今年は、物語を読むことを心が求めていた時期だった気がします。

とても面白い小説がたくさんありましたが、敢えてベスト3を挙げるとするなら、
・『テスカトリポカ』佐藤究(アステカとマフィアの暴力性を圧倒的スケールで描いた大作)
・『国宝』吉田修一(稀有な才能の歌舞伎役者が二人同時に出現する残酷さ)
・『ヘヴン』川上未映子(人間の欲求に善悪はない。問題はできるかどうかだけ)
になります。

2023年に読んだ小説とノンフィクション

1月『燕は戻ってこない』桐野夏生(札束で子宮を買う資本主義と生殖医療の終着点)
1月『ユーチューバー』村上龍
2月『方舟』夕木春央(正統派ミステリーにも未踏の地は残されていた)
2月『真珠とダイヤモンド』桐野夏生(バブルの狂騒の中で登り堕ちてゆく人びと)
3月『テスカトリポカ』佐藤究
4月『街とその不確かな壁』村上春樹(青春というかけがえのない時期の不可逆性)
4月『怪物』是枝裕和
5月『黒牢城』米澤穂信(ミステリーである以上に組織論として名作)
5月『変な家』雨穴(独特な着眼点でテンポがよいライトミステリー)
5月『コード・ブレーカー』ウォルター・アイザックソン(スリリングな奇跡の連続である遺伝子科学の最先端)
7月『汝、星のごとく』凪良ゆう(遠くから見ると美しく、近くから見ると色褪せた町)
7月『ツイッター創業物語』ニック・ビルトン(大きくなりすぎたスタートアップの壮大な内輪もめ)
7月『太陽を創った少年』トム・クラインズ(ギフテッドの子を潰さない教育と環境)
8月『黄色い家』川上未映子(移ろいやすい人の心がたった一瞬寄り添った奇跡)
8月『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー
8月『素数に憑かれた人たち』ジョン・ダービーシャー(リーマン予想という難問に挑んだ数学者たちの物語)
9月『本心』平野啓一郎
9月『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬(女性だけの狙撃兵部隊でしか描けない物語)
9月『ヘヴン』川上未映子
9月『ある男』平野啓一郎
9月『檸檬』梶井基次郎
9月『贖罪』湊かなえ
9月『上京物語』喜多川泰
9月『軍師二人』司馬遼太郎
9月『塞王の楯』今村翔吾(戦争をなくすことが出来るのは「最強の鉄砲」と「無敵の盾」どちらなのか)
10月『国宝』吉田修一
10月『グラスホッパー』伊坂幸太郎
10月『小学五年生』重松清
10月『満願』米澤穂信
10月『最後の証人』柚月裕子
10月『むらさきのスカートの女』今村夏子
10月『星の子』今村夏子
10月『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(親になることは明日が二つになること)
10月『コンビニ人間』村田沙耶香
10月『さくら』西加奈子
10月『イーロン・マスク』ウォルター・アイザックソン(徹底したリアリストにはドラマもロマンも必要ない)
11月『正欲』朝井リョウ
11月『流浪の月』凪良ゆう
11月『うつ病九段』先崎学
11月『ハーモニー』伊藤計劃
12月『それってキセキ GReeeeNの物語』小松成美
12月『デフ・ヴォイス』丸山正樹

「水晶堂」内の「本」についての記事
https://suishodo.net/category/book

「ブクログ」のマイ本棚
https://booklog.jp/users/suishodo

時事的な内容を扱った実用書やビジネス書には、数年も経つと読む意味がなくなる本も多いですが、マンガも含めて物語のいいところは、何年前の本であっても、本質的な面白さは変わらないところだと、あらためて思いました。